○表紙写真○
雨降る屋久島の花之江河
(鹿児島県熊毛郡屋久島町) 田井紗也子 氏撮影
標高1600m付近に位置する湿原「花之江河」は、屋久島を代表する景観の一つとしてよく知られており、起源は約7300年前の鬼界(きかい)カルデラ大噴火以前まで遡る。近年、湿原の地下水位低下とそれに伴う乾燥化、短期間で湿原の遷移が顕著化している可能性が指摘され、「屋久島高層湿原保全対策」が示された。今後は順応的な保全対策が進められる。(文:高橋雅美氏)
|
目 次
●論 壇 屋久島における世界自然遺産地域の現状と対策等について 林野庁経営企画課
国有林野生態系保全室 2
●特 集 世界自然遺産登録30周年を迎えた屋久島
屋久島の森林・植物と生態系管理 矢原徹一 8
屋久島高層湿原保全対策の概要と今後の展望 下川悦郎 12
屋久島における林業の動向 ─1990年代以降に注目して─ 柴崎茂光 16
屋久島山岳部利用の変遷
〜信仰、木材、登山の関係、そして治癒の島〜 小原比呂志 20
●知っておきたい(40) 28 人工林で広葉樹を保持して鳥類を保全する 山浦悠一・雲野 明 ●報 告 32 コミュニティ林の持続的利用管理と研究の課題 長濱和代 ●トピック 26 森と暮らしをつなぐ、日本伝統の包装材 「経木」の可能性 榎本浩実 38 世界伐木チャンピオンシップで日本代表が奮闘! 石原雅樹 | ●本の紹介 36 地方資本と森林・林業の近代化過程 大塚生美 36 われら古細菌の末裔 谷口武士 ●連 載 7 森と木の技術と文化 第42話 ブナ・カツラ・トチノキ 内田健一 24 分け入っても分け入っても青い山(14) 「のはら」の結ぶ縁 佐々木知幸 24 |