第11回セミナー 我が国に合った林業機械のあり方とは何か
講師:今冨裕樹氏 (森林総合研究所林業工学研究領域長)
4月7日(火)の第11回セミナーでは、今冨裕樹氏を講師にお迎えし、「我が国に合った林業機械のあり方とは何か」というテーマで基調講演をいただき、その後、参加者の間でディスカッションを行いました。
基調講演及びディスカッションの要旨は次のとおりです。
<アンケートでのご意見>
セミナーについてのアンケートの結果、参加いただいたアドバイザーの方々からは次のような意見や感想が寄せられました。
- 大きなテーマに対してあまりにデータが少なく、事例や統計値では結論がでない。
- 国のプロジェクトとして機械性能、システム、オペレーション、林況などの要因で何が一番の問題なのか、課題が多いのかを明らかにすべき。
- 1000万haの人工林を管理するのに今の生産性ではどれだけの台数の高性能機械が必要なのか?
- 低コスト作業システムの定義とは?コストの計算方法は?
- 生産性向上や労働負荷軽減だけでなく安全性の確保も林業機械に求められる。建機をベースマシンに流用しているために作業者が危険にさらされていないか?
- 伐出作業の地域性の議論が必要。
- 機械購入に大幅補助するだけでは機械を活かせないと痛感した。専門家の助言・指導が必要か?
- どのようにしたら日本の林業現場に即した林業機械が開発されるようになるのか?
- 森林総研の研究は経営的視点が欠如しているのではないか。
- 伐期に達してきた人工林での今後の伐出を考えた機械の開発、特に日本独自の機械を考案すべき。
- 効率性確保は大前提であるが、森林経営全般を考えた技術の開発をシステムとして考えるべき。この当然のことが大きく欠けていることが残念である。
- 高性能機械は、コストとの比較を明確にしないと意味がない。
- 切捨て間伐にならざるを得ない状況など、高性能機械が使えるか以前の問題をどうすべきか。
- 路網整備が最優先である。コストと生産性の比較は、機械だけでなく山林の状況により変わる。
- 現場で何が起きているのかを知りたい。なぜ機械開発が進まないのか?